IELTSとは?International English Language Testing System

①IELTSとは?

IELTS (アイエルツ)とは International English Language Testing Systemの略称で、1989年に開始され、英語圏への留学や移住のために必要な英語力の証明として用いられる英語能力試験です。 世界140力国以上の国と1万を超える高等教育機関で採用されており、現在受験者は年間で300万人を超える世界で最も認知度の高い検定試験とされています。 以前はイギリスやオーストラリアへの留学希望者が主に利用していましたが、ここ10年間でアメリカやカナダなど北米の教育機関でも幅広く認められるようになりました。 日本でもテストセンターや受験地の拡大により、受験者数が大幅に伸びています。 さらには、昨今の大学入試改革に伴いIELTSが大学入試英語成績提供システムの参加要件を満たしている民間の資格・検定試験と認定されたことから、今後はさらなる受験者の増加が予想されます。

②留学にスコアはどのくらい必要?

大学などの入学に必要な目安として最低はOverall 6.0、一般的にはOverall 6.5、レベルの高いところだとOverall 7.0や7.5が平均的なスコアで、同じ大学であっても専攻によって条件が異なる場合もあります。 また、Overall 6.5であったとしてもとりあえずOverall 6.5でいいのか、あるいはすべてのパートで6.5以上が必要なのか、といった点も事前にチェックしておいてください。 検索方法としては、Google などの検索エンジンで〈English language requirements +大学名(例:University of Cambridge) +専攻名(例:literature)〉のようにサーチすると、希望する大学と専攻の条件を知ることができます。

また、国や機関によりますが条件付き合格(Conditional Offer)になるケースもあり、これは英語力が規定スコアに満たないために出される仮の合格通知のことを言います。 この場合は所定の語学学校で一定の期間コースを受講し、合格すれば大学に入学が許可される制度です。 通常英語力が基準に達している場合は無条件合格(Unconditional Offer)が下りますが、それでも必要なスキルを身につけるために事前に語学学校に入学し、万全の準備をする人もいます。 実際のところIELTSで基準のスコアを満たしただけではアカデミックスキルが欠如している場合が多いので、余裕があればアカデミックスキルを強化できる語学学校に入学し、最大限の準備をした上で留学に臨むのが得策と言えるでしょう。

③その他の重要ポイントは?

テストの結果は受験日から13日目に発行され、その有効期限は2年間ですので、必ずその間に出願してください。

また、テスト結果に疑問がある場合は再採点を申請することが可能です。 リーディングとリスニングはスコアが変わることはまずありませんが、ライテイングとスピーキングはスコアの訂正が行われる可能性があります。 ただし再採点には1力月以上かかるため、余裕を持って申請してください。

試験会場に持ち込めるのはパスポート(本人確認用)、鉛筆(シャープペンシル、ボールペンは不可)、カバーの付いていない消しゴム透明なペットボトルに入った水の4点のみで、腕時計やペンケースなどは持ち込むことができません(テストセンターにより若干の違いがあるので、詳細はホームページでご確認ください)。

以上でIELTSについての基礎知識に関するガイダンスは終了です。 大まかな内容はつかんでいただけましたか? それでは最後にIELTS学習者にとって重要な「4つの心得」を体得していただきたいと思います。 では早速まいりましょう!

④IELTS学習者必須4つの心得

心得①諦めない!必ず道は開ける!

資格試験であるがゆえ、必ず「試験運」というものが存在します。 試験本番で自分の得意分野に関連した問題が出題されるとは限りませんし、難易度の高い問題に当たったり、その日の体調や心理状態が影響したりすることも十分考えられます。 目標スコアを達成できる英語力があったとしても、期待していたスコアが取れずに落ち込むこともあるかと思います(目安として最低3回は受験するつもりで学習計画を立てることをお勧めします)。 私(小谷)自身も目標スコアが取れず何度もくじけそうになりました。 しかしながら、それは誰もがみな通る道であり、対策勉強や試験に費やした時間と受験料は必ず未来につながっていて、みなさんをさらに成長させてくれる糧になります。 途中で挫折しそうになることがあるかもしれませんが、努力は嘘をつきません。 前進あるのみ、粘り強く頑張りましょう!

心得② スコアアップに裏技はなし!ただし攻略法はある!

目標スコアにもよりますが、短期間で大幅にスコアがアップするような裏技は私の知る限り存在しません。 アカデミックな試験であることからカバーする範囲が広く、高い英語力やスキルが必要とされるので、根気よく学習を続けなければなりません。 ただし、無駄を最大限に省き、最短・最速で効率よくスコアアップを実現させるための攻略法は存在します。 それは私自身の50回を超える受験経験と研究、学習、指導、さらにIELTSに精通したエキスパートとのコラボレーションにより生み出したアプローチやテンプレート、ボキャブラリーなど多岐にわたります。 本書をしっかり仕上げることでスコア達成に必要な総合的な英語力と留学後に必要なアカデミックスキルの両方を習得していきましよう!

心得③ IELTSの専門家に学ぶべし!

IELTSは独学でスコアを上げるのが難しく専門校に通う人も少なくありません。 個人的な話になりますが、私自身も留学中は知り合いのネイティブスピーカーからプライベートでIELTSの指導を受けていました。 その方は非常に教養が高く博学で洗練された英語を使い、どんな質問にも答えてくれましたが、なかなか思うようにはスコアが上がりませんでした。 IELTSは資格試験という少し特殊なジャンルですので、その指導経験や受験経験のある人から指導を受けたほうが大きな効果が望めます。 つまり彼はIELTSに関しては無知であり、スコアアップにつながるテクニックや攻略法を教えてはくれなかったのです。 ですので、語学学校や指導者を選ぶ場合は必ずIELTSに精通しているか、あるいは日本人であれば受験経験があるか(少なくとも5回以上、理想は10回以上)をチェックしてください。 また、ネイティブ講師か日本人講師かの選択も重要で、初級者の方は(4.5〜5.5前後)ネイティブスピーカーだと意思疎通がうまく取れないケースも多いので、最初は日本人講師を選択し、6.0以上(特にスピーキングと ライティング)を安定して取れるようになればネイティブスピーカーという選択でもよい でしょう。

心得④ スコア達成後も引き続き学習を継続すべし!

目標スコアを達成したらテスト勉強から解放されて学習をやめてしまう人がいますが、これでは留学後に単位を落としかねません。 留学後はIELTS対策の何倍もハードな課題が待ち受けており、留学は「英語を学びに行く場でなぐ専門分野に関する知識を深めに行く場」であることから、海外に出る前に最大限に英語力を高めておくことが留学を成功させる秘訣です。 例えば出願に必要なスコアがOverall 6.5であっても、これは学生を取り込むために大学が窓口を広げているだけで、そのスコアで留学しても実際はガタガタで英語力が不十分というのが現実です。 最低でも大学が要求しているスコアに+0.5、理想は+1.0の取得を目指してください。 私も留学中に単位を落としたり、落第したりした人を何人も見てきましたが、そういう人たちはアカデミックスキル以前に根本的な英語力が欠如していました。 また、留年すると留学期間も伸び、学費、生活費、ビザの延長費用など出費が余計に増えてしまいます。 ですので、スコア達成後も英語学習に力を入れ、留学中は英語学習ではなく専門分野の研究に最大限時間を費やせるように英語学習を継続しましょう!

以上でIELTSの概要と必要な心得についてのレクチャーは終了です。 一緒に目標スコア達成に向けて頑張っていきましょう!

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⑤ リスニングパートを徹底攻略

リスニングパートは4つのセクションから成り、合計40問で構成されています。 試験時間はおよそ40分で、そのうち解答時間は約30分、残りの10分間で解答用紙に答えを書き写します。 まずは全体の概要を確認しておきましょう。

セクション 特徴
Section 1
(10問)
2人の会話(電話も含む)を聞く。 会話の内容としては、ホテルやツアーの予約手続き、大学の図書館やカスタマーセンターへの問い合わせなどが出題される。
Section 2
(10問)
日常生活に関する話を聞く。 話し手は1人。 博物館や図書館などの施設利用に関するアナウンス、大学のオリエンテーション、ツアーの案内などが出題される。
Section 3
(10問)
2~4人(学生同士や大学教員など)で行われるディスカッションを聞く。 プレゼンテーションやリサーチ方法、提出課題に関する話題が出題される。
Section 4
(10問)
特定の分野に関する、アカデミックな講義などを聞く。 扱われるトピックは「歴史」、「環境」、「経済」、「ビジネス」、「教育」など多岐にわたり、ディクテーション問題が中心となる。
次の項目もチェックしておきましょう。
  • 1. 問題文(音声)は1度しか流れません。
  • 2. 解答前に設問に目を通す時間が与えられます(セクションにより約20-60秒と異なる)
  • 3. スペリングはアメリカ英語、イギリス英語のどちらでも構いません。
    (例:color [米]/ colour [英])
  • 4. 音声はイギリス英語が中心ですが、その他の英語圏や英語圏以外の地域の話者(ノンネイテイブを含む)による発音・アクセントも使用されます。
次にリスニングパートで出題される5つの問題パターンを確認しておきましょう。
Multiple Choice
(択一式問題)
3つの選択肢から正答を1つ選ぶタイプが最も多いが、4つ以上の選択肢から2つ、あるいは3つの正答を選ぶものも出題される。
Matching
(マッチング問題)
人物、建物、本などのカテゴリーに最も適切な描写や特徴を選ぶ問題で、通常択一式で出題される。
Dictation
(書き取り問題)
*右のように6種類ありますが、本書では1つのタイプとして扱います。
Form Completion (申込書の空所を埋める)
Note Completion (メモ中の空所を埋める)
Table Completion (図表内の空所を埋める)
Sentence Completion (文章中の空所を埋める)
Flow-chart Completion (フローチャートの空所を埋める)
Summary Completion (要約の空所を埋める)
[Map / Diagram] Labelling
(地図、図表問題)
建物や敷地内の見取り図で特定の部屋の位置を答える問題や、機械や作業工程の空所を埋める問題が出題される。
Short Answer Questions
(英問英答)
問題で、英問に対して英語で解答する。

特にDictation問題(選択式ではなくスペリングを書く形式)に関しては、次の3つの注意点をチェックしておきましょう。

  • 1. 大文字と小文字の区別には注意が必要です
    特にSection 1の固有名詞や曜日、月などをスペルアウトする際は気をつけましょう(例:〇 April × april)。
  • 2. 複数形と単数形の区別に注意しましょう(複数形の-s /- es抜けに要注意)。
    例えば、booksとすべきところをbookとすると不正解になります。
  • 3. 設問によっては、字数指定があるので注意しましょう
    例えば、ONE WORD AND/OR A NUMBER (単語1語と/あるいは数字1つで)、ONE WORD ONLY (1語のみで)、NO MORE THAN TWO[THREE] WORDS (2語[3語]以内で)などの指示文があり、これを守らないと誤答になります

次はバンドスコアの換算表を確認しましょう。

各回の平均正答数に応じて多少の点 数調整が入ることもありますが、正答数とバンドスコアの目安は以下の通りです。

正答数とバンドスコアの関係

正答数 バンドスコア 正答率
39~40 9.0
37~38 8.5
35~36 8.0
32~34 7.5
30~31 7.0 7割5分正解
26~29 6.5 7割正解
23~25 6.0 6割正解
18~22 5.5
16~17 5.0

この表からわかるように、6.0のスコアを取るためにはふだんの対策勉強から6割の、6.5のスコアをゲットするには7割、そして7.0であれば7割5分の正答数が必要です。 これから紹介する「攻略法」を身に付け、トレーニングに励めば、効率よく目標スコアを達成することができます。

個人的な話になりますが、約9年前にIELTSの対策を始めた時のリスニングスコアは5.0~6.0でした。 当時は公式問題集をただ解くだけで、攻略法やテクニックはほぼ知らず、半ば運任せで受けていたのが正直なところです。 しかし、公式問題集を徹底的に分析し、受験を繰り返すことにより「正答率を上げる攻略法とテクニック」を導き出した結果、8.0以上を取ることが可能になりました。

また、これまでに指導したほぼすベての生徒さんは、これらの攻略法とテクニックを身に付けてからテスト対策をすることで、短期間で0.5~1.5のスコアアップを達成されています。

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⑥リーディングパートを徹底攻略

リーディングパートは試験時間が60分で、3つのパッセージが出題されます。 合計40問のうち、パッセージ1と2はそれぞれ13問、パッセージ3は14問で構成され、1パッセージの語数はおおよそ750~900ワードです。

出題分野はアカデミックな内容が中心で、「生物」、「環境」、「教育」、「歴史」、「芸術」、などさまざまですが、ほとんどの場合、専門知識がなくても問題を解くことは可能です。 では、まずリーディングパートで出題される問題形式をチェックしてみましょう!

Multiple Choice
(択一式問題)
本文の内容に合う最も適切な選択肢を選ぶ問題。 4つの選択肢から正答を1つ選ぶ問題が最も多いが、5つ以上の選択肢から複数の答えを選ぶものも出題される。
Not Given
(内容正誤問題)
示された英文が本文の内容や筆者の意見と一致すれば [TRUE / YES]、異なる場合は [FALSE / NO]、述べられていない・判断できない場合は [NOT GIVEN]を選ぶ問題
Heading
(タイトル選択問題)
各パラグラフ(段落)の見出しを選択肢から選ぶ問題。
Matching
(内容一致問題)
インフォメーション・マッチング 示された英文の内容を含むパラグラフを選ぶ問題。 固有名詞マッチング 人物や機関名などの固有名詞と関連した描写、説明文を選択肢から選ぶ問題。 センテンス・マッチング 示された英文に続く文をマッチングさせる問題。
Completion
(空所補充問題)
空所を埋める問題で選択肢から選ぶ形式と、本文中から抜き出す形式の2種類があり、次の6タイプに分けられる。 ・Note (メモ書き) ・Summary (要約) ・Sentence (文章) ・Diagram (図表) ・Table (表) ・Flow chart(フローチャート)
Q&A (英問英答) 本文中の語を用いて解答する問題。

以上が主な出題パターンです。

ここで一つ注意したいのは、リスニングパートでは解答を用紙に書き写す時間が10分ありますが、リーディングでは直接解答用紙に答えを書き込まなければならないということです。

では次に、正答数とスコアの関係を確認しておきましょう。

リスニングと同様、各回の平均正答数に応じて多少の点数調整が行われることもありますが、正答数とバンドスコアの目安は以下の通りです。

正答数とバンドスコアの関係

正答数 バンドスコア 正答率
39~40 9.0
37~38 8.5
35~36 8.0
33~34 7.5
30~32 7.0 7割5分正解
27~29 6.5 7割正解
23~26 6.0 6割正解
19~22 5.5
15~18 5.0

この表からわかるように、6.0のスコアを取るためにはふだんの対策勉強から6割の正答数、6.5のスコアをゲットするには7割、そして7.0であれば7割5分の正答数が必要です。 そして、これから紹介する「攻略法」を身に付け、トレーニングに励めば、効率よく目標スコアを達成することが可能になります。

私の場合、IELTSの対策勉強を始めたときはリーディングのスコアは6.0点でした。 当時は市販のIELTS対策本を1冊読んだ後、約半年間、公式問題集を3冊以上解いたのですが、3度受けても6.0点しか取れませんでした。 しかし、リスニングパート同様に問題を徹底分析し、「攻略法」を考え出すことによって8.0点以上を取れるようになりました。

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⑦ ライティングパートを徹底攻略!

IELTSのライティングテストは、他の英語資格試験に比べて採点基準が非常に厳しく、世界的に見ても全4パートの中で最も平均スコアが低いというデータがあります。 安定して6.5以上を取るために重要なことは、「IELTS特有のルール」と「セミ・アカデミック・ライティングのルール」に従うことです。 ここではこれらのルールを中心に、最短でスコアアップを実現させるための攻略法をお伝えしていきます。 まずはテストの概要を確認しておきましょう。
形式、
タスクの内容
主な特徴 指定語数 時間配分(目安) 配点(割合)
Task 1 グラフや表の数値や、図の変化や工程を描写すること。 客観的 150語以上 24分 1/3
Task 2 与えられたテーマについて論理的なエッセイを書くこと。 主観的 250語以上 36分 2/3

特に重要なのは時間配分で、«Task1は24分»、«Task2は36分»のタイムマネジメントを心がけましょう

問題用紙に書かれている制限時間「20分」と「40分」に従う必要はありません。

これについては各Taskで詳しく述べていきますが、その前にまずはIELTSで求められるライティング力と必要な基礎知識を身につけておきましょう。

■ IELTSのエッセイライティングとは?

ライティングパートにフォーカスする前に、まず「アカデミック・ライティングとは何か?」について基本的な知識を持っておきましょう。 アカデミック・ライティングとは、アカデミックな形式やルールに従い、アカデミックなオーディエンス(読み手)に向けて書かれた客観的なエッセイを意味し、欧米の大学(院)で要求される必要不可欠なライティングのスキルです。 大学や専攻分野により形式が異なることから、それぞれの分野に特化した特徴やルールに従ってエッセイを書くことが求められます。 ただし、IELTSのライティングはこのような大学レベルで要求されるような厳格なルールはないことから、いわゆる「セミ・アカデミック・ライティング」と言えます。 正式なアカデミック・ライティングとの違いは以下の2点です。

① Subjective (主観的)な意見を述べてもよい

正式なアカデミック・ライティングではObjectivity (客観性)が要求されるので、I、you、we、myなどの主観性を表す人称代名詞を使うことは一部の例外を除いてありません。 しかしライティングパートのTask 2で取り組むのは、自分の意見を述べるSubjective(主観的)なエッセイです。 一方、Task 1はすべてObjective(客観的)に書くことが求められるので、個人の見解を書いてはいけません。

② Citation (文献などからの引用)は不要

通常のアカデミック・ライティングでは、研究者の実験結果やデータを引用して書き進めますがIELTSでは不要です。 ただし、背景知識があればEvidence(証拠)として専門的な知識を効果的に利用することが可能であり、これはスコアアップにつながります。 トピックと関連性があり、かつ説得力を高めるためた主張をサポートする具体例であれば、データの引用は可能です。 次の例文でデータの引用例を確認しておきましょう。

例) The world’s population is projected to reach approximately 9.7 billion in 2050, and this explosive growth is highly likely to cause a number of serious social problems.
(世界の人口は2050年に約97億人に達すると予測されており、この爆発的増加により様々な社会問題が引きおこる可能性が非常に高い) IELTS講座イメージ04

⑧ スピーキングパートを徹底攻略!

IELTSのスピーキングは3つのパートで構成されています。 試験官との対面式で行われ、試験時間は身分証明書(パスポート)のチェックも含め14分間程度です。 まずは各パートの概要を確認しておきましょう。

Part 内容 特徴
Part 1
「質疑応答」
約4分
パーソナルなトピックについての質問を中心に、英問英答式(Dialogue)でのやり取りを行います。 友人、旅行、学校、仕事など身近なテーマが中心です。 詳細に答える必要はないので、短く2〜3文で解答しましよう。
Part 2
「スピーチ」
約4分
あるトピックについて2分以内でスピーチを行います。 1分間の準備時間が与えられるので、メモを取ることが可能です。 トピックはPart 1と同様に身近な内容に関するものです。 トピックに沿った内容を順序立てて話すことが重要です。
Part 3
「ディスカッション」
約4分半〜5分
Part 2で出題されたトピックに関連した分野の社会問題について面接官とディスカッションを行います。 社会問題についてふだんから関心を持ち、自身の意見を持っておくことが重要です。 つまり【英語力+幅広い見識】が求められます。

採点はパートごとに行われるのではなく、3つのパートにおける総合的なパフォーマンスで評価されることから、すべてのパートでバランスよく受け答えをすることが大切です。

また、IELTSは英語の運用力を測るテストなので、解答が問われたことに沿っていれば内容(コンテンツ)はスコアに関係なく、また、話すネタが思いつかない場合は「作り話(嘘)」でも問題ありません

では次にスピーキングの評価基準における重要ポイン卜を押さえておきましょう。

■ スピーキングの評価基準を押さえておこう!

まずスコアアップには欠かせない、4つの重要な評価基準を確認しておきましょう。

① Fluency and Coherence (流ちょうさと首尾一貫性)

質問に適切に解答し、滞りなく話せているか。 特にHesitation (ためらい)、Long Pause (長い間)、Self-correction (言い直し)、Repetition (繰り返し)の4点を減らし、Fluency (流ちょうさ)を高めることが重要です。

② Lexical Resource (語彙)

状況に応じて語彙を正確、適切に運用できているか。 特にCollocation (コロケーション)、Style(語彙のフォーマル度)、Discipline-specific Vocabulary (分野別語彙)の運用の3点を意識して解答しましょう。

③ Grammatical Range and Accuracy (文法の幅広い運用力と正確性)

正確に文法を理解した上で、場面に応じて適切に運用できているか。 ただし難解な文法項目を運用する必要はなぐSimple Sentence (単文)だけでなく、Complex Sentence(複文)を織り交ぜながら話しましょう

④ Pronunciation (発音)

特にClarity (明瞭さ)、Intonation (抑揚)、Stress (強勢)、Rhythm (リズム)の4点に注意して話すことが重要。 イギリス英語、アメリカ英語どちらの発音でも構いません。

採点はこれらの4つの項目を総合的に判断して行われます。

例えば各項目が次のようなスコアであるとします。

・ Fluency and Coherence: 6.0
・ Lexical Resource: 5.0
・ Grammatical Range and Accuracy: 6.0
・ Pronunciation: 6.0

この場合はすべてを足して4で割った平均値がスコアとなるので、〈23 + 4 = 5.75〉 となり、切り上げになってスコアは6.0となります。

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