2009年度第2回英検1級問題分析 Part.3 語彙解説

1. 正解は3で瞬速で解けます。exuberant (energy, personality, mood)(あふれるばかりの・熱狂的な)ジュバーッとエネルギーがあふれる感じで、「活気・性格」と主に結びつきます(完成語彙テキストでカバー)。1はcontemplative attitude(静観的な態度)contemplate(じっと見て考える、しけ単に出ていた大学受験単語です。)2はerroneous information(間違った情報)、4はcircumspect in one’s opinions((be)意見を述べるのに慎重な)、例えば製薬会社が新薬の開発、販売に「慎重な」のように使い、類義語はcareful, cautiousです。(8000語水準、必須語彙テキスト)

 

2.             正解は1のbluff で、bluff one's way out of (trouble, crisis, danger)(〜をはったりで切りぬける)のよに、よく「困難」と結びつきます。名詞では崖、絶壁の意味から、形容詞では「急に来る、ぶっきらぼうな、荒っぽくて勢いがある」、すなわち「はったり」の意味に展開していきます。日常英会話では、He’s just bluffing. などとよく使われるのでこれも瞬速で解けます。2はdefame someone(()を中傷する)。同意語は disgrace, demean, derogateなど。written defamation “libel(名誉毀損)”, spoken defamation”slander” と覚えておきましょう。3はsyndicated crime(共謀犯罪)

4はbungle the (operation, response, attempt)(やり損なう)「業務・対応・試み」と結びつきやすく(完成語彙でカバー)。名詞でヘマの意味。かつて80年代にアメリカで大人気だった女の子バンドの名前もバングルズでしたが、その名前の由来は、そのバンドメンバー全員が他のオーディションで落ちた、すなわちヘマをした女の子で結成されたからでした。ちなみにfumble は野球のエラーの意味です。

 

3.             正解は2のshunで、この語は過去に選択肢の1つして2回使われ、今回で3回目の重要語彙です。Career women used to be shunned by society.(キャリア志向の女性はかつて社会から敬遠されていた。)ように使ったり、shun (responsibility, confrontation, temptation, publicity)(避ける・遠ざける)「責任・衝突」と結びつきやすい語です。1はgrill a fish(網で魚をジュッと焼く)から、interrogate(質問攻めにする)の意味が起こってきた語で、時事英語でよく使われます。3はslump down into a sofa(ぐったりソファに座る)や不況のようにドーンと落ちるイメージです。4のtrample trample on somone’s feelings(人の気持ちを踏みにじる)のように使い、完成語彙でカバーしています。

 

4. 正解は1のdeterで、この語は今回を含めて過去5回出題されています。deter a criminal activity(犯罪活動を抑止する)deter A  from B (ABするのを阻む)nuclear deterrence(核の抑止力)のように使う最重要語で、fromがあるのでこれも瞬速で解けます。2はrevoke a (license, law, contract)(取り消す・無効にする)のように「免許・法律・契約」と主に結びつき、3はsupplanted by a young player ((be)若手に取って代わられる)のように用い、両方ともASCの必須語彙テキストでカバーしています。4は delineate the (picture, role, character, boundary)(描写する・輪郭を描く)のように、「像・役割・境界線」と結びつきやすく、ボーダーはっきりさせる意味の完成語彙レベル語彙です。

 

5. 正解は1でこれも瞬速。caustic remarks(辛らつな批評)のフレーズでよく使われる語で、過去に語彙問題の正解として2回、選択肢として1回の合計3回も用いられている重要完成語彙です。2はpragmatic approach(実際的なアプローチ)、3はstudious efforts(熱心な努力)、4はorthodox opinion(正統的な見解)のように使います。

 

6. 正解は過去3回出題の4で、Stop meddling in my affairs(私の事に干渉しないで!)のように使うので、これまた瞬速! meddle in (politics, internal affairs, business)(〜に干渉する)「affairs, business」と結びつきやすい語です。1はfamily squabble(内輪もめ)のように使い、3はthrust one’s fist into the air(こぶしでガッツポーズ)のイメージです。また3は、bestow an honor on someone(()に名誉を与える)のような文脈で使います。

 

7. 正解は1で、susceptible to (damage, disease, attack, pressure)(〜の影響を受けやすい)「被害・病気」と主に結びつくので、これまた瞬速で解ける!他は、2.tractable (problem, pain, conflict)(手に負えない・治りにくい)「問題・痛み」と主に結びつく、3.discernible difference(目に見える違い)、4.deplorable situation(嘆かわしい状況)のように使います。

 

8. 正解は4のa barrage of questions(矢継ぎ早の質問)で、これも頻出フレーズで瞬速!barrageは集中的な爆撃の意味で、そこからダダダダーと質問を浴びる感じをつかんで下さい!その他、1はturret of a castle(城の砲塔)のように使い、turretは城などの砲撃用に空けられている穴の意味があります。2はthe last morsel of food(最後の一口)のように使い、 言い換えればa small piece of foodのことです。☆ a vestige of (tradition, Western culture, colonialism)(名残り・痕跡)「伝統・文化」と結びつきやすく、主に習慣などの名残りのことです。完成語彙テキストでカバーしています。

 

9. 正解は過去に解答、選択肢合わせて5回登場の2のavert(避ける)で、crisis, danger, disaster, catastrophe, defeat危険」と結びつきます。1はglean information(情報を集める)で、「落ち葉を拾う」のもgleanです。3はerode sb’s (confidence, freedom, power)(損なう・むしばむ)「信頼・自由・権力」と結びつきやすく、4はpare an apple(リンゴの皮をナイフでむく)、句動詞pare down the cost(コストを削減する)のように使います。

 

10. 正解は「機器に発生する故障」を表す1で、computer glitch(コンピュータの突然の故障)のように使い、過去3回出題、必須語彙テキストでカバー。2はsnitch food(つまみ食いする)のように使い、同意語はfilchです。第2義は「密告する」で、イディオムではsnitch on, rat on, blow a whistle onと同義です。3はelectronic gadget(電子器具)lovemaking gadget(大人のおもちゃ)のように使い、4はwidget((名称が不明な)小型機械、装置)、すなわちsmall gadgetのことです。

 

11. 正解は出題3回目の3quandaryで、in a と結びつく(4はin swarmsの形)のはこの語だけで、economic quandary(経済苦境)のようにも使います。同意語はquagmire, predicament, plightなどです。1のjettyは、同意語pier(レストランなどがついている華やかな感じの埠頭)と違って、木や石でできた突堤のこと。4はa swarm of (ants, bees, tourists)(群れ・群集)で、主に「昆虫・人」と主に結びつきます。

 

12. 正解は2のinculcate(〜を教え込む)the ideology[doctrine], virtues, discipline「道徳・教え」と結びつきやすく、同意語はinstill, indoctrinateなどです。1は reiterate one's (support, commitment, opinion, position)(繰り返して言う)「支援・立場」と主に結びつき、3のvacillate between (love and hate, consent and refusal)(揺れ動く)「相反するもの」と結びつき、同意語はoscillate, waver, fluctuate, seesawなどです。4のcogitate(熟慮する)think のおどけた言い方。

  です。

13. 正解は過去4回登場のflagrant(極悪の・はなはだしい)violation, breach, error「犯罪・誤り」と結びつき、「ポリスアカデミー」などの刑事ドラマで、flagrant disregard of public safety! などとよく使われていました。fragrant(芳香性の)と混同しないようにしましょう。1はgallant soldiers(勇猛果敢な兵士:紳士的でヒーロー的な優しさを含む)のように使い、必須同意語 intrepid hunter(恐れ知らずの冒険家)audacious(大胆不敵)valiant(勝ち目が無くても挑む)などがあります。2のimminent (danger, threat, crisis)(切迫した危険と主に結びつく)は、同意語impendingよりももっと切迫している感じです。4はcelibate ([宗教的理由で]独身の、禁欲主義の)で、practice celibacy(禁欲生活を送る)のフレーズで使われます。

 

14. 正解は過去に2回も解答として出題され、今回で3回目となる超頻出単語のtarnish someone’s reputation(人の評判を落とす)で、クラスで生徒さんは耳にタコでしょう。1はburnish metal(金属を磨く[varnishはニスを塗る]で、2はI'm famished.(私は腹ぺこだ)で、I’m starving.のおどけた言い方です。3はgarnish salad with an orange slice(料理のつま、付け合せ)の意味で、通訳ガイド必須単語です。

 

15. 正解は3のfarce(茶番)で、What a farce! It’s a complete[total] farce!で「こいつはお笑いだぜ!」のように使います。1はダイヤモンドの面で、facet of a diamond(ダイヤモンドの一つの面)、2はhis recent craze is(彼が最近凝っているのは)craze for health foods(健康食ブーム)the latest craze(最近大流行)のように使い、多義語である4のcrunchは、the crunch(瀬戸際の時)の形で用い、credit crunch(貸し渋り)job crunch(就職難)のフレーズが重要語彙。これは間違った人が多いようです。この語はこの他に動詞では、crunch data(コンピューターで大量の情報を処理する)crunch a rice cracker(おかきをぽりぽり食べる)のように使える重要語です。

 

16. 正解は4のcessationcessation of hositility[aggression](休戦)のように「敵意」と結びつく、過去3回出題の必須語。1はcognition disorder(認知障害)2humiliation of defeat(敗北の屈辱)、3はdepiction of a romance(恋愛の描写)のように用い、depict the (scenes, event, reality, history)(〜を描く)「場面・出来事」と結びつきやすい。

 

17. 正解は〔考え・発言・申し立てなどに〕反論[反証]するを意味する2のrefuteで、コロケーションから瞬速でわかります。1はpercolate coffee(コーヒーをろ過する)、3は placate (one’s anger, protesters, critics, customers, investors)(なだめる・静める)「怒り・(怒る)人々」と主に結びつき、

4はextort money from ~(〜から金をゆすり取る)のフレーズで覚えましょう。

 

18. reach an impasse(行き詰まる)のコロケーションから1が正解。2はthe apex of one's career(人生の絶頂期)、3はonerous task(煩わしい仕事)onerous of proof(立証責任)、4はNHKのラジオのビジネス英語でもよく出てくるthe higher[lower] echelons of the business world(高い[低い]階層)のように用います。

 

19. 正解は「文書を精読する」を意味する4のperuseで、コロケーションから瞬速。1はsnub one's noses at someone(()を冷たく鼻であしらう)、2はwaylay someone(()を待ち伏せする:類語のambushは「待ち伏せして攻撃する」)、3は edifying (speech, sermon, book, story)(啓発する、為になる)「話」と結びつきやすい完成語彙。

 

20. 正解は3で、languish in (prison, jail, poverty)(惨めに暮らす・衰える)「刑務所・貧困」と結びつきやすい語で、過去4回頻出の最重要語彙。1は主にflourishing business[industry, town]のように産業・町などが栄える、2はnourish a baby with milk(赤ちゃんをミルクで育てる)、4はbrandish[8千語水準語彙] a sword(剣を振り回す)のように使います。

 

21. 正解は「重症害・騒乱」を意味する2で、時事英語でよく出てくる語彙で、私の著「スーパーボキャビル」で出てきます。1はfelicity of marriage(結婚の幸福感)、3はre(後ろ)+pose(置く)から来た語で、repose one's (trust, hope, confidence) in someone(人に(信頼を)置く)「信頼・希望」と結びついたり、repose in an armchair(ひじかけいすで休む)のように使い、4はtell a malicious lie(悪意のある嘘をつく)と、類語spiteよりかなり悪い語です。

 

さて、皆さんいかがでしたか? コロケーション(語と語の自然な組み合わせ)を利用すれば簡単

に覚えられるでしょう! 頻度の高い語彙は確実に覚えておきましょう!

次回は『句動詞』の解説です。乞うご期待!

 

 

 

 

 

 

 

22.

throw in a joke(ジョークをはさむ)

stamp out a crime(犯罪を撲滅する)

strike up a conversation(会話を始める)

glance off one’s shield([矢などが]盾をかすめる)

23.

rifle through one’s pocket(ポケットをくまなく探す)

lash out at someone(()を厳しく批判する)

The road was paved over.(道が舗装された)

rattle off every name(名前をスラスラ言う)

24.

Good news hasn't sunk in yet.(良い知らせがまだピンとこない)

gloss over a mistake(失敗をごまかす)

drift off in the lecture(授業中に眠りに落ちる)

The rumor floated around.(うわさが広まった)

25.

live down one's shame(恥を償う[時と共に忘れる)

dash off a letter(手紙を書き殴る)

firm up the details of agreement(契約の詳細を固める)

dote on one's child(子供を溺愛する)

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