2011年度 第3回 英検1級問題分析と攻略法

2011年度 第3回 英検1級問題分析と攻略法

20121月の英検1級問題は、語彙問題はやや簡単めで、読解問題はいつも通り、ライティング問題はやや簡単めで、リスニング問題はいつも通りで、合格点は79点前後ではないかと思われます。語彙問題は、cynical, detrimental, discerning, inhale, ratification, archipelagoのような準1級よりも問題が多く見られ、読解も最後のパッセージ以外は比較的簡単に解けた人が多いようです。よってちゃんとボキャビルしている人なら、語彙問題では18点、アクエアリーズで気合を入れてボキャビルに励んでいる人なら2223点は取れたはずです。また読解問題では、少し苦手な人でも18点、そこそこの力のある人なら、21点は取れるはずです。とにかくこの2つで、40点が取れるようにトレーニングすればかなり合格しやすくなるので、気合を入れて大特訓をする必要があります。

 

語彙問題分析と攻略法

英検1級は、他の資格検定試験と違って、語彙問題のレベルが高くて、タイム、エコノミストやCNNニュースなどが辞書なしで読める1.5万語水準以上の語彙の知識をテストしています。それ故、大学入試の時に5千語水準までのボキャビルをした後、大学で語彙力UPの努力をあまりしていない人にとっては、この語彙センクションは、25点満点中の平均点が受験者全体で13点、合格者が17点からもわかるように、かなりハードルの高いものとなっています。しかし、語彙セクションの出来ばえが、読解問題やリスニング問題のスコアにも影響してくるので、是が非でも、効果的な最短距離ボキャビルが必要になってきます。そこでこのセクションでは、皆さんが英検1級に合格できるように、その最も効率のいい語彙力UPトレーニングを行いましょう。まず、語彙レベルは大きく次の5段階にわかれます。

[ 一般語彙レベル ]

1.入門(the Elementary Level)12千語水準(英検3級~準2級レベル)

2.初級 (the Lower-intermediate Level)35千語水準語彙(英検2級レベル)

3.中級(the Intermediate Level)68千語水準語彙(英検準1級レベル)

4.上級(the Advanced Level)9千~1.1万語水準語彙(英検1級レベル)

5.最上級(the Upper-advanced Level)1.21.7[2]万語水準語彙(GREレベル)

 

「初級レベル」、「中級レベル」に関しては一般的な市販の大学入試用のボキャブラリー本で明確に記されているので、説明するまでも無いでしょう。このレベルの語彙力だとTOEICのリーディング問題はまあまあできても、まだまだ英語の文献は辞書なしでは読むことは困難で、準1級の語彙問題は、半分ぐらいはできても、英検1級の問題にはまったく歯が立たないでしょう。次の「中級レベル」になってくると英字新聞で頻繁に用いられる時事単語が多くなってきますが、その一番高いレベルである8千語水準までの語彙を覚えれば、まず英字新聞はかなり楽に読めるし、タイム、エコノミストでも、未知語を推測しながら読むことでき、準1級は楽勝ですが、英検1級は25点中、1516点は取れるレベルでしょう。例を挙げると次のようなものがあります。文脈なしでどれぐらい意味がわかるかチェックしてみてください。8割わかればその水準はクリアです。

 

あなたの英検語彙力診断[中級(6~8千語レベル)]

allocate, assimilate, adjacent, advent, aggravate, avaricious, authentic,  bleak, brisk, contaminate, candid, counterpart, curtail, coherent, coincide, compel, cozy, crumble, custody, depict, diagnose, disrupt, dissolve, diffuse, discourse, denounce, deteriorate, demography, drawback, distort, dwindle, eligible, embargo, endorse, erratic, evasive, expire, explicit, feasible, gregarious, harness, fanatic, fraud, hamper, humiliate, hazardous, legacy, immune, incentive, indict, induce, impending, inaugurate, infringe, mediocre, intricate, obsolete, lavish, meticulous, manipulate, obscene,   revoke, senile, sluggish, scrutinize, stifle, smuggle, strenuous, verdict

大学入試ではほとんどカバーしていませんが、まさに時事英語によく使われる重要語彙で、背景知識があり、文脈をすぐにつかめる国語力の高い人なら、この語彙レベルでもかなり英文献が読めるようになるでしょうが、まだまだクリアに読めるわけではありません。それらの高度なニュース情報誌を語彙面ではほとんど困らずに読めるようになるには、できれば次の「上級レベル(9千~1.2万語レベル)」まで語彙レベルを高めて欲しいものです。例を挙げると次のようなものがあります。

 

あなたの英検語彙力診断[上級(9千~1.1万語水準)]

acumen, adamant, ascetic, atrocious, amputate, arable, attrition, banal, brawl, circumspect, circumvent, crass, curt, concoct, contingency, collusion, consummate, culminate, devout, defunct, discrepancy, eclectic, enervate, enlist, epitome, esoteric, expedite, flagrant, flamboyant, forestall, foreclose, fraught, ferocious, haphazard, hilarious, incipient, indigenous, insinuate, indigent, inept, inscrutable, insatiable, instigate, insurgent, irrevocable, inexplicable, jubilation, penitent, prodigious, preclude, propagate, quandary, quagmire, retribution, reprimand, retaliate, resilient, relentless, relinquish, reprisal, sporadic, squabble, unscrupulous, thwart

 

これらも時事英語で頻出の語彙ばかりで、このレベルがわかれば時事英語誌の英文リーディングがかなり楽になります。このレベルに達すれば、英検1級の語彙問題では楽に20点以上は取れるでしょう。英検1級の試験は、受験者がこのレベルに達することを意図して作られていると思われます。そして一般語彙ではほとんど未知語は無いぐらいにクリアに洋書、洋雑誌を読めるようになりたい人は次の「最上級レベル」、つまりGRE(米国の大学院入試)のバーバルセクションで高得点を取れるレベルまで語彙力をパワーUPさせる必要があります。例を挙げると次のようなものがあります。

あなたの英検語彙力診断[最上級(1.2~1.7万語水準)]

adulation, adage, assuage, ancillary, anathema, aberration, alacrity, altercation, antics, besiege, bigoted, blandishment, canny, cantankerous, chimerical, cloister, cloying, chicanery, castigate, effigy, ebullient, equanimity, evanescent, flaunt, desiccate, decrepit, depravity, didactic, effrontery, egregious, gingerly, ignominious, spurious, umbrage, welter, venial, deleterious, excoriate, feral, flaccid, forage, halcyon, inane, hiatus, kudosimpregnable, jaundiced, lassitude, mien, milieu, nefarious, obstreperous obsequious, opprobrious, mollify, parsimonious, pernicious, platitude, recalcitrant, surreptitious, supercilious, subterfuge, salubrious, sacrosanct, sanctimonious, sequester, truculent, temerity, tawdry, unremitting, vitiate

 

 いかがでしたか、くらっときましたか。このレベルの語彙になってくるとネイティブでも認識語彙(文章の中で意味がわかるレベルの語彙)ですらない人がいますが、タイムや語彙の豊富な洋書には出てくる、つまり語彙の豊富なネイティブが「運用語彙」といえます。1級の語彙問題で常に満点を狙う人や、GREのバーバルセクションで640点以上のハイスコアを狙う人は、是非このレベルを目指してください。

 

さて英検1級の語彙問題は、コロケーションの知識によって迷う時間が減り、全文を読まなくても解ける比率が上がって行き、レベル615分、レベル512.5分、レベル410分、レベル37.5分、レベル25分、レベル12.5分と解答時間が短くなって行きます。アクエアリーズの受講者にはレベル3で満点近くのスコアの人も多く、語彙力の弱い人は効果的なボキャビルによってレベル4で何度受けても20点以上取れるように頑張りましょう。それによって当然、読解力もUPして行くのでボキャビルは非常に重要です。

 

今回出題された語彙を、当アクエアリーズ出版の「英検1級対策ボキャビルテキスト」で調べてみると、解答となる問題のカバー率は21問中16問の76%でした。いつもよりも少ないですが、それは「発信型スーパーボキャブラリービルディング」に見られる、reconnaissance plane(偵察機)archipelago(群島)collateral(担保)pseudonym(偽名)などのような分野別語彙が出題されたためですが、大半は簡単なものでしょう。

 

レベル1 50008000語水準(基礎語彙) 主に準1級レベル・・・3個出題(14%

throng(31級語彙Top400), infringe(51級語彙Top100), archipelago(1・ナシ)

 

レベル2 800012000語水準(必須語彙) 主に1級レベル・・・個出題(33%

anesthetic(21級語彙Top300), acrimony(41級語彙Top700), remorse(31級語彙Top400), ratification(21級語彙Top800), bogus(1・ナシ), pseudonym(1・ナシ), collateral(1・ナシ)

 

レベル3 12000語以上(完成語彙) 米国の大学院入試(GRE)レベル・・・個出題(29%

altruistic(51級語彙Top700), scrawl(31級語彙Top800), reconnaissance(1・ナシ), bequeath(1・ナシ), brash(1・ナシ), contentious(71級語彙Top100),

 

カバーできなかった5つの単語は「英検1級頻度別語彙リストTop 1000」で4つカバーしました。

detrimental(6回・1級語彙Top900) detrimental to (~に有害な)detrimental effect [impact]

  (悪影響)の型で覚えておこう!

lanky(2回・1級語彙補足) 人の容姿を表現する形容詞。

scam(1回・ナシ) scam(詐欺、ペテン)という意味で、時事英語に頻出の重要語彙。

discerning(5回・1級語彙Top700) 過去の問題では、今回のdiscerning(見識のある、目の肥えた)ではなく、discern(見分ける)discernible(認識できる)などの意味で出題されている。

inhale(3回・1級語彙補足) 反対語のexhale((息などを)吐く)と共に必ず覚えておくべき、生理的な場面に使われる必須語彙。

 

1 英単語の後にある( 回)の表示は、過去20年間の英検準1級語彙問題に選択肢として出題された回数。

2 1Top1Topの表示は当アクエアリーズ校の準1級・1級で覚えるべき1000の単語を

    Top100からTop1000まで、10段階に100語毎に分けられた単語のレベル。

 

また、句動詞は、アクエアリーズ出版の「句動詞1000のテキストにおける解答のカバー率は4問中3問の100%で、解答を含めた句動詞の選択肢のカバー率16問中12問と75%となりました。さらに、句動詞の研究を進め、新しく作成した「準1級・1級句動詞頻度別リストTop 600(準1最重要100 / 準1重要100 /1級最重要200 /1級重要200では、beef up(1級最重要200), level with(準1最重要100), dawn on(1級最重要200)3つの75%をカバーしました。

 

語彙問題の傾向として、通常は文脈をほとんど無視してコロケーションで解ける問題がほとんどだったのですが、今回は多少文脈で解く必要のある問題が増えています。アクエアリーズの『英検1級語彙スーパーボキャブラリー教材』や『発信型英語10000語レベル スーパーボキャブラリービルディング(CD3枚付) 』で、「発信型ボキャビルトレーニング」を実践している人なら全体を5分ぐらいで解いて満点か満点近い点が取ることが可能です。

 

語彙問題は、NC(no-context型でコロケーションだけで解ける問題)SC(semi-context型でコロケーションと空所の数語の文脈で解ける問題)FC(full-context型でほとんど全文を読まないと解けない問題)3つに分かれますが、英検1級の語彙問題の場合、意味・用法・コロケーションの限られたハイレベルな語彙が多いので、運用語彙の豊富な人なら、ほとんど文脈なしでコロケーションで解けるNCSCタイプの問題の割合が高くなります。

 

特に、英検1級の語彙問題の選択肢はコロケーション(語と語の自然な組み合わせ)を利用すれば簡単に解くことができますので、それを交えながら解説していきましょう。

 

1番は、the actor insisted that his work with poor was carried out for (俳優による、貧しい子供達との活動は~のためという主張) many suspected that he was mainly interested in the publicity he gained from his activities.((しかし、)多くの者が彼の活動は名声目的と怪しんだ)という内容から、彼の活動はaltruistic(利他的な)理由で主張すると分かる、文脈で解く「10秒問題」。

2番は、to his career(((歌手の)経歴に)から detrimental to (~に有害な[弊害をもたらす])と語法で解ける「1秒問題」。

3番は、surgery(手術)という文章内容から、will wear off(次第に消えていく)するのはanesthetic(麻酔(の効果))とコロケーションで解ける「3秒問題」。

4番は、Mike was short and slightly overweight.(マイクは背が低く、やや太り気味)という情報を基に、whileを挟んで対照内容となるRick was tall and (リックは背が高く~)から、lanky(ひょろっとした)と文脈で解ける「7秒問題」。また、頭文字のllong(長い)という意味で連想できるので、音の語根からでも解ける問題。

5番は、note(メモ)から scrawl(走り書きする)とコロケーションで解ける「1秒問題」。

音素のscr-は「ごしごしすって抵抗のエネルギー!」

scramble(よじ登る,奪い合う), scrape(こする), scrub(ごしごしみがく)

 scribble (なぐり書き(する)), screechscream (金切り声で叫ぶ),

scrimp(節約する), scrutiny(綿密な調査), scratch(ひっかく), scruple(良心のとがめ)

 

6番は、investment opportunity(投資の機会)guarantee a 40 percent return(40%の利率を保証)sound too good to be true(話が上手すぎで本当ではなさそう)からscam(詐欺、ぺてん)と分かる、文脈で解く「10秒問題」。

7番は、angry protesters gathered(怒った抗議者の集まり)から、警察がそのthrong(その群集)のコントロールするのは困難だと分かる、文脈で解く「10秒問題」。

8番は、although the merger between the two banks was described as “friendly” in public(公には二つの銀行の合併は友好的と説明されているけれども・・・) から 影ではacrimony(辛らつさ、とげとげしさ)があると分かる、文脈で解く「10秒問題」。

9番は、business traveler(ビジネス旅行者)から discerning(見識のある、目の肥えた)とコロケーションで解ける「1秒問題」。さらに、空港会社によるサービス提供の内容で正解が確信できる。

10番は、spy from the neighboring country(隣国のスパイ)という文章内容からconduct reconnaissance of (~の偵察を行う)と分かる、文脈で解く「10秒問題」。

11番は、her entire fortunes(彼女の全財産)から bequeath to ・・・(~を・・・に譲る)とコロケーションで解ける「1秒問題」。

12番は、wore mask(マスクをする)という文章内容から、fume()inhale(吸い込む)しないようにとコロケーションで解ける「3秒問題」。

13番は、After he was caught stealing candy, the young boy said how sorry he was and started crying.(キャンディーを盗んだかどでつかまり、謝って泣き出した)から remorse(激しい後悔)と分かる、文脈で解く「10秒問題」。

14番は、people’s individual rights(人々の個人の権利)から infringe on (~を侵害する)と語法で解ける「1秒問題」。

15番は、international treaty(国際協定) から ratification(批准、承認)とコロケーションで解ける「1秒問題」。

16番は、is made of 153 islands(153の島国からなる)から archipelago(群島、列島)と文脈で解ける「3秒問題」。

17番は、be shocked by his attitude(彼の~な態度にショックを受けた) he told the manager she was doing a poor job of running the department.(マネージャーに対して課の運営方法が下手という言及)から brash(生意気な)と分かる、文脈で解く「10秒問題」。

18番は、college’s proposed tuition increase(大学側から提案された授業料の値上げ(という問題))からcontentious(議論を呼び起こす)と分かる、文脈で解く「5秒問題」。

19番は、$50 bills(50ドル札)から bogus(偽の)とコロケーションで解ける「1秒問題」。

20番は、write several novels(何本かの小説を書く)という文章の流れから under a pseudonym(匿名で)と語法で解く「1秒問題」。

21番は、for a bank loan(銀行のローンの)から collateral(担保)とコロケーションで解く「1秒問題」。

22番は、security(安全性)からbeef up(強化する)とコロケーションで解ける「1秒問題」。

23番は、Have you been looking for a position with another firm?(別会社の職を探しているのか?)という文章内容から、level with me(私に正直に打ち明けて(ほしい))という文脈で解ける「5秒問題」。

24番は、his back(彼の背中)からthrow out(痛める)とコロケーションで解ける「1秒問題」。

25番は、him thatから dawn on (~にわかり始める)と文章の型で解ける「1秒問題」。

 

2011年度第3回英検1級語彙

1. cynical view(悲観的な[利己的な]見方)

  deterministic aspect (決定論的側面)

  extrinsic factor(外部的要素)

altruistic behavior(利他的な振舞い)

altruistic (love, action, behavior)(利他的な)    「態度・行為」と主に結びつく

2. detrimental to one's health(()の健康に有害な)

  efficacious treatment(有効的な治療)

  exponential growth(急激な増加)

  innocuous remark(当たり障りのない意見)

3. military incursion(軍事侵攻)

several nights of vigil(幾晩の徹夜)

vigilant (attention, guard, watch)(慎重な)「注意・警戒」と結びつきやすい

censure resolution(問責決議)

be censured for one’s (misconduct, failure, opinion)(~で非難される)「行為・言動」と結びつく

local anesthetic(局部麻酔)

4. stocky build(ずんぐりした体格)

  lanky figure(ひょろっとした体つき)

  chunky guy(太った男)

tubby man(ずんぐりした男)

5. quaff wine(ワインをがぶ飲みする)

carouse(大酒盛りをして騒ぐ)

segregated society(人種隔離社会)

scrawl one’s name(名前を走り書きする)

6. gripe about the cost(コストに対して不満を言う)

  fray someone’s nerves(()の神経をすり減らす)

fill a void(空間を埋める)

credit-card scam(クレジットカード詐欺)

7. shopping spree(派手な買い物)

throng of people(群集)

throng of (shoppers, onlookers, spectators)(多数・大群)「群集」と主に結びつく

find solace in music(音楽に慰めを見出す)

have a bad hunch(悪い予感がする)

8. veracity of someone’s alibi(アリバイの信憑性)

regional hegemony(地域の覇権)

felicity of marriage(結婚の幸せ)

acrimony of the dispute(辛辣な議論)

acrimonious(debate, dispute, exchange, argument, lawsuit)(激しい・辛らつな)「議論」と結びつく

9. discerning eye(鑑識眼)

  incongruous color(調和しない色)

  implicit understanding(暗黙の了解)

  pernicious effect(悪影響)

  pernicious (effect, influence, disease)(有害な)「影響・病気」と結びつきやすい

10. bears of perspiration(玉の汗)

   restitution of land(土地の返還)

   pay penance for one’s sins(罪の償いをする)

reconnaissance plane(偵察機)

11. disparaging remark(中傷的な発言)

   disparaging (remarks, comments, statement)(中傷的な)「発言」と結びつく

   flout the law(法を破る)

   bequeath a large fortune to someone(多くの財産を()に残す)

   bequeath one’s (fortune, legacy, assets) to someone(遺贈する)              「財産・遺産」と結びつく

   retract one’s opinion(自分の意見を取り下げる)

retract one’s (statement, remarks, criticism)(撤回する)「発言」と主に結びつく

12. inhale a scent(香りを吸い込む)

   incense stick(線香)

   ingratiate oneself with politicians(政治家に取り入る)

   ingratiating (smile, voice, charm) (魅惑的な・取り入るような)「仕草」と主に結びつく

inter a dead body(遺体を埋める)

13. force of inertia(慣性の力)

   pay homage to someone(()に敬意を表する)

   pay homage to the (king, saint, war dead)(敬意)「敬意の対象」と結びつく

   sense of remorse(後悔の念)

   remorseful (tears, eyes, apology)(後悔の)「態度・言葉」と主に結びつく

   brazen impudence(恥知らずの厚顔無恥)

   impudent (attitude, remark, gaze)(生意気な・厚かましい)「態度」と結びつく

14. with some trepidation(少し不安な気持ちで)

   ratification of the treaty(条約の批准)

   The population was decimated by the plague.(疫病で人口の大半が死んだ)

bowel perforation(腸に穴が開くこと、腸穿孔(せんこう))

15. voice of dissent(反対意見)

   dissent a conflict(争いを煽る)

   get emboldened by drunk(酒で大胆になる)

   infringe on someone’s right(()の権利を侵害する)

16. Japanese archipelago(日本列島)

   dietary regimen(食事療法)

   express one’s revulsion(反感を示す)

   revulsion against (war, crime, violence)(嫌悪)「戦争・犯罪・暴力」と結びつきやすい

   make a conjecture(推測する)

17. cordial welcome(心からの歓迎)

   cordial (atmosphere, relationship, friendships, greeting)(心からの・思いやりのある)

「雰囲気・人間関係」と主に結びつく

   brash attitude(生意気な態度)

   deciduous tree(落葉樹)

   circumspect about one’s opinions(自分の意見に慎重な)

18. delirious from fever(熱で意識がもうろうとなる)

   propitious moment(好都合な時)

propitious (time, moment, start, sign)(幸先の良い・好都合な)「時」と結びつく

   contentious issue(論争を呼び起こす問題)

   contentious (issue, matter, area) (議論を起こす)「問題・地域」と主に結びつく

   garrulous lady(おしゃべりな女性)

   garrulous (woman, boss, colleague)(おしゃべりな・口数の多い)「人」と結びつく

19. docile animal(従順な動物)

   bogus bill(偽札)

   garbled characters(文字化けした字)

   garbled (words, message, sound, speech)(文字化けしている・不明瞭な)「文字・音」と主に結びつく

   stoic attitude(平然とした[冷静な]態度)

20. complete debacle(完全な失敗)

   ‘Sorrow’ is a synonym for ‘grief.’

   (sorrowgriefの同義語である)

   at the pinnacle of success(成功の絶頂に)

   pinnacle of one’s (power, success, career)(絶頂)「権力・成功・経歴」と結びつきやすい

   write under a pseudonym (ペンネームで書く)

21. collateral agreement(担保契約)

   contraband trade(密輸)

   surveillance camera(監視カメラ)

   symmetry of the design(デザインの対称性)

22. beef up security(安全性を高める)

   plow through a crowd (群衆を押し分けて進む)

mete out physical punishment(体罰を与える)

egg someone on(()をけしかける)

23. scrimp on maintenance of equipment(設備のメインテナンスをケチる)

 vouch for the accuracy of the information (情報の正確さを保証する)

level with someone(().本当のことを正直に言う)

opt for early retirement(早期退職を選ぶ)

24. throw out one's back(腰を痛める、ぎっくり腰になる)

shoot for the moon(高望みをする)

polish off the whole pie(パイを丸ごと平らげる)

pore over a book(本を熟読する)

25. tack on a couple of extra visits to one’s schedule

   (スケジュールに数件の追加訪問を上乗せする)

   dawn on me that (~に気が付く)

   reel off many names(多くの名前をスラスラ言う)

skirt around the issue(問題を避ける)

エッセイライティング問題分析と攻略法

2次対策の基礎にもなる重要なエッセイライティング問題です。今回のトピックは”Agree or disagree: World poverty can be eliminated”で、ポイントがeducation, globalization, political corruption, population growth, technology, the United Nationsで、まずどれがproconに使えるかを瞬時に判断する必要があります。つまり、与えられた6つの語句を見て、1分以内に、ベストの3つを選びます。そして、3分以内に英語でポイント含むセンテンス(できればトピックセンテンス:各段落のメインアイデアとなるもの)を書けるようにトレーニングする必要があります。私はテキサス大学の博士課程留学中に、大学生にライティングとスピーチの指導をしていましたが、パブリックスピーキングのコースでは、全16回の講座のうち最初のころの数回はスピーチをさせず、アウトラインの作り方を徹底的に指導して、ポイントから述べて話がrambling(漫然)にならないようにトレーニングしていました。それだけ英語圏での国語ではトピックセンテンスは重要であるということです。

 

さて、トピックは「貧困をなくす可能性があるか」なのですが、世界の現状の貧富の格差増大、食糧難に苦しむ人の数を見れば「今生きている人が死ぬまでに貧困がなくなことが不可能であることが予測でき、いつになるかわからない」ので、短いスパンで捉えるならば、conの方が圧倒的に強い(数十年スパンでは12conが有利)ことがわかります。世界には、marginalized groups(= the aged, disabled, indigenous and displaced people who generally lack education and social connections to earn an adequate income)が多く存在し、In developing countries there are few social services to protect those groups.と言われています。こういった現状を踏まえて”I don’t think that world poverty can be eliminated in the foreseeable future.”の方が、I think that world poverty might be eliminated in the distant future.より書きやすくなります。

 

次に、6つの語句を見てそれぞれのproconの可能性を考えてみましょう。まずeducationは、proでは「途上国でも教育の機会は改善されている(Educational opportunity has been greatly improved even in developing countries, thus alleviating poverty even among needy people who have acquired job skills through education.)一方のconでは「教育を受けられない人が多く、彼らは貧困から抜けられない(Many underprivileged[disadvantaged] people in both developed and developing countries don’t receive good enough education, trapped in vicious circle of poverty.)」と、両者を比べるとconの方が強くなります。おまけに途上国で教育をほとんど受けずに働く子供のchild laborの問題も考えると、conの方が64で強いでしょう。「教育機会の問題やreproductive education(リプロダクティブ教育)を含めて国連が取り組んでおり、以前よりは大分改善されているので、将来は貧困がなくなるかもしれない。」とすることができますが、やはり現状を見れば弱いアーギュメントと言えるでしょう。

 

次にglobalizationですが、proでは、「グローバリゼーションによって途上国にアウトソーシングし仕事の機会が増えたことで貧困問題が解決の方に向かっている(Globalization has been promoting overseas outsourcing and production, thus creating job opportunities for local people.)conでは「グローバリゼーションによって国際競争が激化し所得格差が広まっていて、多くの負け組みはさらに貧しくなっている(Globalization has been intensifying competition in global business, thus exacerbating the problem of income disparity[the polarization of rich(winners / haves) and poor(losers / have-nots]. It is posing risks of poverty and marginalization of for a large segment of the world’s population. The benefits of globalization have been unevenly shared. )となって、これも73conの方が強いでしょう

 

次のpolitical corruptionというネガティブな語句もすぐにconであるとわかるでしょう。「政治汚職が多くの国ではびこっており、私服を肥やす特権階級によって民衆は貧困にあえいでいる(Political corruption has gone ineradicalble[rampant] in many countries, leaving the populace suffering from grinding poverty.とか The power elite plunder the treasury filled with development aid money, lining their own pockets at the sacrifice of the populace.)で決まるでしょう。これをproに使うなら、「世界の汚職は高まる民主化の波の中で減っており、将来は撲滅されていき、世界は貧困問題もより効果的に取り組むことができるようになる」とutopian[unrealistic, idealistic]な意見を述べることになってしまい苦しいですね

 

次のpopulation growthconであることがわかるでしょう。「急激な人口増加によって食料不足問題が深刻化している(Rapid population growth in the world has been exacerbating the problem of food shortage.)」と言えるからです。ちなみに貧困の現状は次のとおりです。   

1. Half the world's population, nearly three billion people, live on less than US$2 a day

2. Over 800 million people do not get enough food to meet their energy needs.

3. More than 840 million adults, of whom 538 million are women, are illiterate.

4. In developed countries more than 100 million people live below the poverty line, more than 5 million people are homeless and 37 million are jobless.

5. The Gross Domestic Product (GDP) of the poorest 48 nations (ie a quarter of the world's countries) is less than the wealth of the world's three richest people combined.

6. More than half a billion children representing a staggering 40 per cent of all children in developing countries live in poverty.

7. Millions of children miss out on school or are forced into child labor, causing lifelong damage to children's minds and bodies and continuing the cycle of poverty into the next generation.

 

このポイントでproにする場合は、次のデータが示すように「人口増大にもかかわらず、1960年からそういった問題は改善されており、将来はもっと良くなるであろう。(Since 1960 child death rates in developing countries have halved, malnutrition rates have declined by a third, the proportion of children out of primary school has fallen from more than half to less than a quarter, access to safe water has almost doubled, from 36% to nearly 70% and the extension of basic immunization has saved the lives of three million children.) というふうに論を進めることができます、やはり現状を分析すれば、”population growth”をキーワードにすると苦しいので、73conの方が書きやすいでしょう。ちなみにこの食糧問題の予備知識を補足しておきますが、いくら食糧生産を上げても分配が悪ければこの問題は解決しないことがわかるでしょう。

  

(予備知識)

飢餓が原因で1日に45万人(1年間に1500万人以上)の人が亡くなっており、そのうち7割以上が子どもたちです。「飢餓」になるのは、食糧が十分につくられていないからではありません。穀物は年間19億トン生産されています。 これは世界中の人が生きていくのに必要な量のおよそ2倍になります。1人当たりの食糧供給量を比較すると、日本では必要なカロリーより26%も多く、エチオピアでは18%不足しています。私たちのように食べるものがいつでも十分手に入るのは、世界のおよそ2割の人だけなのです。穀物は人間が食べるだけではなく、先進国では穀物の6割(約4億トン)が、ウシ、ブタ、ニワトリなどの家畜のえさになっています。牛肉1キロ作るために穀物8キロ、豚肉1キロ作るために穀物4キロ、鶏肉1キロ作るために穀物2キロを消費しています。結果として、世界の2割足らずの先進国にすむ私たちが世界の穀物の半分以上諸費しています。食糧摂取カロリー(一人当たり)

私たちは日本人の食生活は、第二次世界大戦前とくらべると大きく変わりました。例えば、肉や卵を食べる量は10倍になり、えさとして使う穀物の量も急増。現在、えさ用のトウモロコシや大豆は98%が輸入です。こうした穀物の消費の増加だけでなく、砂糖や植物油(ヤシ油)などのプランテーション作物を大量に輸入することで、途上国の生活にも大きくダメージを与えているのです。 日本の食品の約7割は、世界から輸入したものです。私たちは年間 5800万トンの食糧を輸入しながら、その3分の11940万トン)を捨てています。食糧の廃棄率では世界一の消費大国アメリカを上回り、廃棄量は世界の食料援助総量740万トンをはるかに上回り、3000万人分(途上国の5000万人分)の年間食料に匹敵しています。日本の食品廃棄の実に半分以上にあたる1000万トンが家庭から捨てられています。この家庭からでる残飯の総額は、日本全体で年間11兆円。これは日本の農水産業の生産額とほぼ同額です。さらにその処理費用で、2兆円が使われています。日本は食糧の7割以上を輸入しながら、「世界一の残飯大国」なのです。食糧輸入が途絶した場合、1年後には3000万人が餓死すると1978年に試算されています。(「NHK特集 輸入食糧ゼロの日」 1978年) 今は、昭和50年頃の穀物自給率(40%)より10%以上悪化し、28%になっています。もし、今、食糧輸入が途絶した場合にはそれ以上の餓死者が出ることになるのです。

 

さて次に、technologyですが、これはproのアーギュメントに使えます。proとしては、「科学技術の進歩で、各産業の生産性が改善され、その結果、生活水準が上がった(Technological advancement has greatly increased industrial output, thus enhancing the standard of living in both developed and developing countries.)」のように言え、Improvement in farming technology including advanced irrigation systems has greatly increased agricultural output.とか、Development of GMO has helped alleviated food shortage problems.のように続けることができます。これに対してconは、「科学技術が進歩しても、貧しい国はその技術を手にすることは無く、貧富の差は大きくなるばかりである(Despite technological advancement, needy countries have very limited or almost no access to advanced technologies, which has been exacerbating income disparity between those countries and advanced countries.)のように、”technological divide(技術格差)”について書くことができますがやはりproの方が64で強いでしょう

 

最後にthe United Nationsですが、これはpro, conどちらでも書けます。proでは、「国連がミレニアム目標を掲げてから、貧困率は減っており、いつかは貧困が撲滅できるかもしれない(Since the United Nations Millennium Development Goals, the proportion of people living on less than a dollar a day has decreased in developing countries. This decline suggests that we can eradicate world poverty in the future. )」とすることができます。そして、reproductive educationで人口増加にブレーキをかけたり(educationのポイントとかぶりますが)sanitationhealth promotionをしたり、医療ではinfant mortality rateの減少などに国連が力を入れていることを述べていけばいいでしょう。これに対して、conでは、「国連のミレニアム目標は守れず、飢餓問題は解決できないままであるし、今後、それを守れる見通しも立たない(The world has failed in the battle against hunger, with the whole of sub-Saharan Africa failing to meet the Millennium Development Goals for eradicating global poverty by 2015.)。国連に関して肯定的な見方をすればpro、否定的な見方をすればconとなりますが、国連それ自体では貧困との取り組みにそれ程力を入れているとは言えないので、少なくとも今後数十年ぐらいでは73conの方が強くなり、21世紀までなら微妙な所になります。でも「言霊信仰」で前向きの方が絶対にいいという人は、国連のイニシアティブとdonor countriescommitment(global aid spending)をポジティブにとらえてproに使った方がいいでしょう。

 

皆さんいかがでしたか。今回のエッセイライティング問題は、ポイントがすべてキーアイデア(アーギュメントのポイントでパラグラフのトピックセンテンスになる)に使え、背景知識もそれほど必要としないので、比較的取り組みやすかったと思います。このように英検は、エッセイライティングやスピーキングなどの発信では、socioeconomicsocio-environmentalなトピックをglobal perspective(世界的視野)から述べるのが基調となっているので、その分野の背景知識と発信力は1次試験と2次試験の対策勉強を同時に行うことによって効率よく身につけることができます。英検1級に合格するには、まずこの語彙とライティングセクションの合計で40点取れるようにトレーニングしましょう。それでは次回は読解とリスニング問題分析と攻略法を述べることにしましょう。

 

皆さん明日に向かって英語の道を、Let’s enjoy the process!(陽は必ず昇る!)

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