攻略法.4 多義語訳に注意する(シンボルを把んで訳す)

英単語にはたくさんの意味があって、大学入試のシケ単式で1つや2つの意味だけ覚えても、きれいな和訳はできないことはご存知と思います。やはり、まめに辞書を引いて「文字どおりの意味」から「抽象的・比喩的な意味」まで辞書をエンジョイしながら読み、連想ゲームを楽しむようにして単語の語義(心、正体)を把んで欲しいものです。特に多義語や比喩用法は深みや迫力のある英語を生み出し、ライティング力(スピーキング力)UPにも大いに役立ちます。

そこでまず皆さんの簡単な英単語の多義性の知識をテストしてみましょう。次の英語を日本語に訳してみて下さい。

(多義性クイズPart 1)

1. a class action
2. by the good offices of a friend
3. the cradle of civilization
4. end on a cheerful note
5. his train of thought

(解説)
1. 集団(共同)訴訟。actionは「行動、活動」から「動き、動作、作用、機能、実践、戦闘、訴訟」と意味が発展していきます。
2. 友人の斡旋(世話で)。officeは「事務所、会社」だけでなく「the office(全職員)、職、機能、世話、尽力、(宗教の)儀式」と意味が広い。
3. 文明の発祥地。cradleは「揺りかご」から転じて in the cradle(初期に、幼少時代に)がある。この他に a mecca for shopping (ショッピングのメッカ)、 a hotbed[or breeding ground] of crime(犯罪の温床)や the industrial powerhouse of Japan (日本産業の一大中心地)などの比喩表現がある。
4. 明るい話題でしめくくる。noteは「メモ、記録」の他にも「短い手紙、手形、話し[書き、考え]方、音符、注目、特徴」と意味が広い。
5. 彼の考えの脈絡。train には「列」という意味がから発展した「連続、つながり、結果」という意味があり、a long train of misfortunesは「長引く一連の不幸」の意。

それではもう少し多義語(比喩表現)のトレーニングをして頂きましょう。次の英語を訳して下さい。

(多義性クイズPart 2)

1. a stroke of luck
2. under the banner of freedom
3. food for thought
4. a cosmetic reform
5. the architect of the rebellion
6. broaden one’s horizons
7. drive a wedge between the two countries
8. flex its diplomatic muscle
9. a crusade against crime
10. chase rainbows

(解説)

1. 思いがけない幸運
2. 自由の名のもとに
3. 思考の材料
4. 上辺だけの改革
5. 謀反の指導者
6. 視野を広げる
7. 二国間に分裂を起こさせようとする
8. 外交上の実力を誇示する
9. 犯罪撲滅運動
10. 夢を追いかける

このように多義語(比喩表現)意識を持って英語を学習していくと、penetrate the deep ocean of the English language (英語という言語の奥深い芸道に入り込む)ことができますよ。こういった方をふまえても body, heat という単語を覚えるにしても、body = 体にとどまらず、「体」から■「死体、主要部、胴体、固まり、団体、物質、濃度、(密度)」と発展した意味を、heatなら「熱」から■「暑さ、激しさ、発情、予選、尋問、辛さ」と英単語の洞察を深めていくよう心がけましょう。